コミュニケーションのスタートは、問いかけることであり、問いかけることで、相手が口を開くので「きく力」を発揮するチャンスが訪れます。
「きく力」については、こちらをご覧ください。
あなたの・・・コミュニケーション能力の課題が分かる本4: ビジネスの必須スキル「傾聴力」を発揮する3つの「きく力」
だから「きく力」だけにフォーカスして、コミュニケーション能力を鍛えても、実践で使えるかどうかは分からないのです。
この優先順位を理解しているだけでも、コミュニケーション能力が向上すると私は思っています。
そしてビジネスの初対面においては「答えずに提案する」ことが大切です。
目次
- 「?」がポイント
- 問いには問いで返す
- 提案を問いかける
「?」がポイント
問いかけることが大切だということを伝えると、多くの人は積極的に話しかけるようになっていきます。
これは主体的な行為として良いことですが、1つ気をつけておくことがあります。
それは「話しかける」と「問いかける」は違うということです。
何が違うのかというと「?」がついているか、いないかということです。
具体的には、次のような感じです。
「?」がないパターン
昨日お伝えしたことを資料にまとめたので、添付資料を見て、ぜひ前向きにご検討ください。
「?」があるパターン
昨日お伝えしたことをまとめた資料を添付してみましたが、いかがでしょうか?
ぜひ前向きにご検討ください。
このやりとりがメールであれば、レスポンス率(反響率)は間違いなく変わります。
それくらい「?」がついているかどうかは重要なのです。
これが「話しかける」と「問いかける」の違いです。
問いには問いで返す
「話しかける」と「問いかける」の違いを理解して相手に話しかけると、相手は口を開き、相手から何かしらのメッセージが返ってきます。
その時に「きく力」が大切になってくるのですが、相手から「問い」が返ってきた時に、1つの分岐点が訪れます。
それは「問い」を受けて、何を返すかということです。
ビジネスにおける初対面で大切なことは「問いには問いで返す」ことです。
具体的には、次のような感じです。
「問いに答える」パターン
相手:これは、どういう意味ですか?
あなた:これは、こういう意味になります。
「問いに問いで答える」パターン
相手:これは、どういう意味ですか?
あなた:これは、こういう意味になりますが、あなたはどう思われますか?
たったこれだけの違いですが、この違いにより会話の弾み方が変わってきます。
会話の弾み方が変わるということは、会話を深掘りするチャンスが訪れるということです。
その結果、会話が広がっていくのです。
ちなみに交渉においては「常に問う側が主導権を握っている」のです。
詳しくは「問う側の重要性」をご覧ください。
提案を問いかける
ビジネスにおける初対面で、1つ目の「問い」の目的は、相手に口を開いてもらうことであり、会話のリズムをつくることです。
では「問いには問いで返す」という2つ目の「問い」の目的は何でしょうか?
その目的は、話を深掘りしていくということです。
ビジネスにおける初対面では、1つ目の「問い」を何度か繰り返す中で、会話のリズムとその場の雰囲気をつくり、2つ目の「問い」で、いよいよ本題に入り、ビジネスモードに切り替えるというイメージです。
そこで大切なことは、2つ目の「問い」の内容です。
その内容には、相手が喜ぶようなものが入っていると望ましく、さらに自社の強みを活かすような提案があることが理想です。
ここでも「説明」ではなく「問い」であることが大切です。