コミュニケーション能力を高めるにはたくさんの要素が必要です。経営コンサルタントとして学んだことや経験したことを中心に「コミュニケーション能力向上」に役立つ情報を(原則)毎週金曜日に配信しています。皆さまの未来に少しでも貢献できれば幸いです!

色々なスキル, コミュニケーションの仕組み化

伝える力の1つがイメージ力 〜相手が欲しがる情報を目に見えるイメージに書き換える〜

伝えたいことがあってそれを相手に伝えられると、それは「伝わった」ということになります。

「そんなこと当たり前でしょ!!」と言われそうですが、グッとこらえて次をご覧ください(笑)

一方的に「伝わった」という状況が訪れない理由は、コミュニケーションや商談においては必ず相手がいるからです。

だから情報だけが伝わっても、本当に伝えたいことが伝わっているとは限りません。

言葉にすると当たり前のことですが、伝えようとする時にこの視点が抜けてしまうことが多々あります。

ここでは「伝える力の1つがイメージ力」という事例をご紹介します。

目次         

  • 相手の欲求
  • 欲求の裏側
  • イメージ力

相手の欲求      

まずこちらの言葉をご存知ですか?

このドリルを買いにきた人が欲しいのは、ドリルではなく「穴」である。

これは、マーケティング界のドラッカーと称されたアメリカの学者であるレビット氏の著書「マーケティング発想法」で紹介されたものです。

次のやり取りを読んで「お客様が欲しいものは、本当にドリルなのか?」をお考えください。

あるホームセンターにドリルを買いに来たお客様がいましたが、店内を探しても欲しいドリルを見つけることができずにいました。

そこで、その場にいた店員さんに次のように尋ねました。

お客様:6mmのドリルはありますか?

店員 :あいにく品切れです。

お客様:・・・・。

結果的にお客様は、そのやり取りだけで帰ってしまうのです。

この会話から考えると、お客様の本当のニーズは何だったのでしょうか?

先ほどのやりとりの中で「ドリルはどんな穴を開けるために必要なのですか?」と「問い」を投げかけることができれば、お客様の本当のニーズは聞き出せたかもしれません。

少しの穴であれば「キリ」でも良かったでしょうし、その他の商品をご案内することでお客様のニーズを満たすことができたかもしれません。

なぜならばこのお客様のニーズであり欲求は「ドリルを買うこと」ではなく「穴を開けること」だからです。

ここでは、仮に伝えたいことがあったとしても、その前に相手の欲求を把握するという大切な課題があることを共有しておきます。

欲求の裏側      

同じようなことを、注文住宅を検討している顧客の例でご説明します。

ABCDホーム(仮名の注文住宅のメーカー)の特徴は次のようなものです。

  • フリーデザイン
  • 断熱性

だから冬はとてもあったかいのが特徴です。

そしてここに、注文住宅の購入を検討しているFファミリーが現れました。

Fファミリーが大切にしている住宅メーカー選びのポイントは、次のようなものです。

  • 家族団欒ができる間取り
  • 感染症を気にしない換気ができる設計

この欲求を踏まえて、FファミリーはABCDホームの断熱性が気になっていました。

その理由は・・・

  • 冬にあったかいのは嬉しいけど、換気は大丈夫なのか?
  • 感染症対策として大丈夫なのか?

このことを踏まえてABCDホームの営業マンであるEさんは、断熱性の特徴を様々な資料を使って説明していました。

「断熱性は他社と比べものにならない性能があります。なんといっても・・・」と話を続けました。

Fファミリーに断熱性の凄さは伝わりましたが、ABCDホームに注文住宅を依頼しようという結論にはなりませんでした。

理由はもちろん分かりますよね。

それは伝えたいことと、相手の欲しい情報が一致していないからです。

これでは情報が伝わったというだけで、本当に伝えたいことが伝わっていないのです。

それでは本当に伝えたいこととは、何だったのでしょうか?

それは断熱性の凄さではなくて、お客様の要望をABCDホームで実現できるということです。

イメージ力      

では「伝わる」という結果を得るためには、どうしたら良かったのでしょうか?

ここで細かいやりとりは割愛しますが、ポイントをご紹介します。

①相手の見える欲求を掘り下げ、真の欲求をイメージできるようにします。

②真の欲求に対して、その過程の課題と対策をイメージできるようにします。

③その対策に対して、ABCDホームの特徴が解決できることを説明します。

こうなるとお客様は欲しい情報が得られ、営業マンEさんの伝えたいことも伝えられ「伝わる」という結果が訪れます。

このような3つのステップを理解し、頭の中で「絵」を描けることが大切です。

それが、伝える力の1つがイメージ力ということなのです。

そして何よりも大切なことは、自分が伝えたいことと、相手が欲していることを把握した上で「伝える」ということにトライするということです。

今回伝えたいことはABCDホームの断熱性の凄さではなく、お客様の欲求をABCDホームが解決できるということだということを、伝えたいと思っている本人が認識していることが大切なのです。

伝えたいことを認識していること、そして伝える力をイメージ力に変えられることが大切なことなのです。

それを私を含め、ついつい忘れてしまうのですが・・・。

「伝える」時の言葉遣いについては、こちら「伝える技術の基本 〜言葉遣い編〜」をご覧ください。