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幹部育成, 人事の仕組み化

部下がいるんだったら「鏡の法則」を意識しよう 〜他人と過去は変えられない〜

昭和生まれの世代には「背中で教える」という言葉が通じるかと思います。

これは言葉で何かを説明するよりも、自分自身でやってみせることが大切だという意味になります。

つまり、言葉で言うよりも、自分がやってみせることで、相手にメッセージを伝えていこうという手法です。

これはとても大切なことですが、時代と共に「背中で教える」という表現が、ネガティブなイメージになっているように感じています。

その背景には、今の若者には「背中で教える」だけでは、不十分だというメッセージがあります。

言い方を変えると、今の時代は昔と違い、もっと手取り足取り教えていかなければいけないというメッセージとも言えます。

 

ここで私は、いつも違和感を覚えます。

それは「手取り足取り教えることが必要ないでしょ〜」という違和感ではなく、時代に合わせたコミュニケーションの取り方が必要だという中で「背中で教える」ことが「もう古い」とか「大切ではない」というような話にすり替わってしまうことに対する違和感です。

「背中で教える」ことは人材育成という観点でも、コミュニケーション能力という観点でも、大原則になるので、そのことを共有します。

目次       

  • 鏡の法則
  • 子は親の言う通りにならず

鏡の法則        

他人と過去は変えられない

しかし

自分と未来は変えられる

 

これは事実であり、考え方の原則です。

考え方の原則とは、どういうことかをご説明します。

 

他人と過去は「自分の影響が及ばない範囲」だということです。

つまりいくら目の前の人を変えたいと思っても、その人が変わるかどうかはその人次第だということです。

つまり、いくら相手を変えたいと頑張ってみても、自分の力ではどうしようもないのです。

 

じゃ〜他人には、関心を持たない方がいいってことですか?

他人には、声をかけない方がいいってことですか?

では自分に何かできることは、ないのでしょうか?

 

そんなことはありません。

あなたが、周りの人にできることは、たくさんあります。

 

例えば、相手に変わって欲しいなと思った時には、その相手に「気づきボール」を投げることです。

そのボールを受けて相手が変わるかどうかは分かりませんし、期待してもいけません。

なぜならば、期待はずれになってしまう確率が高いからです。

 

ちなみにこの「気づきボール」を投げるという行為は、自分の思いだけで実現できます。

このように「自分の影響が及ぶ範囲に注力すること」を、前向きな考え方といいます。

 

このことを繰り返していくと、確実に結果(結果は良い場合もあれば、悪い場合もあります)が出ますし、それは自分が影響を及ぼした結果なので、誰かのせいにせずに、受け入れることができます。

 

それでは次に・・・

あなたは「鏡の法則」をご存知ですか?

この法則は「相手は自分自身を映す鏡である」というように、世の中は自分自身が映し出した世界である、という考え方です。

 

さらに、先程の言葉に通じる法則です。

他人と過去は変えられない

しかし

自分と未来は変えられる

 

つまり、こういうことです。

鏡に映っている自分の姿を見ると、ひどい寝癖がついていたとします。

その時、いくら鏡に映っている自分を触ろうとしても触れないですし、寝癖を直そうと思っても直せません。

 

ではどうすれば良いかというと、それはもちろん鏡に映る自分ではなく、自分自身の頭を直接触り、寝癖を直さなければいけないのです。

 

つまり「自分を変えたい」と思った時には「自分を変える」ことに目を向けることが大切なのです。

言われてみれば当たり前のことですが、ついつい人は自分以外の部分に活路を見出してしまう傾向があります。

やはり、他責ではなく自責の考え方が大切ですね。

子は親の言う通りにならず

経営幹部として、コミュニケーション能力は間違いなく必要なのですが、必要な要素の大原則が「背中で教える」という姿勢になります。

 

この理由を、分かりやすい言葉でご紹介します。

それは、次の言葉です。

子は親の言う通りにならず、子は親のようになる。

 

お子さんがいる人は、共感していただけるかと思いますが、見事に子は親の言う通りにならず、親に似てくるのです。

それも良いところではなく、悪いところが似ていくとよく言われます。

 

しかし、本当にそうでしょうか?

ひょっとしたら、これは美点凝視ができていない親の問題かもしれません。

もし親に美点凝視の習慣ができていると、子どもは親の良いところが似てくると感じるかもしれません。

詳しくは、こちら「子育ての基本 〜子は親の言う通りにならず、親のようになる〜」をご覧ください。

 

これは親子の事例ですが、会社ではどうでしょうか?

上司と部下の関係では、どうでしょうか?

ここでも、原則は同じです。

 

部下は上司の言う通りにならず、部下は上司のようになる。

だから経営幹部における必要要素の大原則は「背中で教える」ということなのです。

伝え方については、ぜひこちらもご覧ください。


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