営業においては、クロージングの先にある「成約」というものがゴールとしてありますが、そこに向けて相手を見極めていくことが大切になります。
相手の何を見極めるかというと「〇〇したい」や「〇〇を得たい」という夢や願望と「〇〇したくない」や「〇〇を失いたくない」という不安や恐怖です。
この2つの感情が、未来を創る原動力となります。
そしてそこに貢献できるものとして、自分が提案する商品やサービスが認められると、後は費用対効果というステップをクリアすることで、営業のゴールである「成約」が見えてきます。
ここではそのクロージングの一歩手前となる、セミクロージングについてご紹介します。
目次
- 見極め方
- セミクロージングの価値
見極め方
まず「〇〇したい」や「〇〇を得たい」という夢や願望と「〇〇したくない」や「〇〇を失いたくない」という不安や恐怖を、見極めていく方法をご紹介します。
最初に何よりも大切なことは、次のような図を頭の中に描きながら話すことです。
言葉だけでではなく、このような図と共に理解することで、体系的な捉え方ができるようになります。
そして、次に意識することは「問いかけ方」です。
この「問いかけ方」を技術(スキル)と捉えると、スキルアップには経験値が必要になります。
ちなみに経験値とは、経験とは違います。
経験とは出来事に遭遇した回数になりますが、経験値とは自分の頭で考えながら出来事に向き合った回数だと私は認識しています。
特にこの「問いかける」という行為は主体的なものなので、自分の頭で考えられないと経験値は上がっていきません。
そんな「問いかけ方」ですが、セオリーがあります。
それは、クローズドからオープンというセオリーです。
その場の雰囲気を柔らかくし、会話のリズムをつくるためにも、答えやすいクローズドクエスチョンを多めにして問いかけます。
その後に「〇〇したい」や「〇〇を得たい」という夢や願望と「〇〇したくない」や「〇〇を失いたくない」という不安や恐怖を見極めていくために、オープンクエスチョンを活用していきます。
いきなり「今困っていることは何ですか?」と聞いても、人はなかなか答えてくれません。
考えてみれば、当然ですよね。
人間は、目の前の人を簡単に信用できるものではないし、すぐに心のハードルを下げられるものでもありません。
このようなセオリーを意識しながら、相手の願望や不安を見極めていきます。
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンについては、こちら「クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン 〜会話の続かない人へ〜」をご覧ください。
セミクロージングの価値
ここで、先程の図を思い出してください。
事前にヒアリングをした願望を叶えられたり、不安を解消できるとイメージができると「成約」というゴールに近づいていきます。
その中で大切になってくるのが、セミクロージングです。
一般的にクロージングができない人は、このセミクロージングの意識が低いものです。
ちなみに、あなたはセミクロージングを意識していますか?
ちなみに、このセミクロージングの意識が高まると、クロージングができるようになります。
なぜならば、セミクロージングをしていくことで、自分にとっても相手にとっても、クロージングのハードルが下がっていくからです。
では、具体的な例をご紹介します。
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ゼミクロージングがないパターン
それでは、この内容で契約ということでよろしいでしょうか?
いきなりそんなこと言われても・・・「少し考えさせてください」と言われるのが一般的な結末でしょう。
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セミクロージングがあるパターン
営業:これから「〇〇したい」という願望と、今感じているお困りごとは、このような理解で間違いないですか?
相手:はい、間違いないです。
営業:その「〇〇したい」という願望を、当社のサービスを使うと実現できるイメージは持てましたか?
相手:はい、大丈夫です。
営業:ちなみに、ここまでで何か不明点や心配事はありますか?
(ここは敢えてオープンクエスチョンを使います)
相手:いえ、大丈夫です。
営業:それ以外に予算の問題もあるかと思いますが、それについては問題ありませんか?
相手:はい、大丈夫です。
営業:それでは、この内容で契約ということでよろしいでしょうか?
相手:はい、よろしくお願いします。
このようにセミクロージングを意識して営業することで、クロージングの先にある「成約」が近づいてくるのです。
そしてセミクロージングで「小さなYES」をもらうことが大切です。
この事例では、クロージングを含めて「5つのYES」を相手からもらっています。
最後の5つ目がクロージングにおける「YES」ですが、それはその前のセミクロージングでもらった「4つのYES」があったからこそ得られたという見方もできます。
だから、セミクロージングで「小さなYES」をもらうことが大切なのです。
クロージングの事例については、こちら「営業職とは 〜クロージングのポイント〜」もご覧ください。