あなたは、野村克也さんをご存知でしょうか?
残念ながら2020年に84歳で亡くなってしまいましたが、私は野村克也さんが残された名言や発言から多くのことを学ぶことができました。
野村克也さんは、元プロ野球選手ですが、ただの選手ではありません。
素晴らしい思考力を持った名選手であり名監督だったのです。
野村克也さんの著書には「野村」「野村メソッド」「野村ノート」など多くの本がありますが、その考え方に共感することが多くあり、私が何かを考える時の指針となっているものもたくさんあります。
目次
- 野村克也さんはどんな人
- 感じる心が大切
野村克也さんはどんな人
もしかしたら野村克也さんを知らない方がいるかもしれませんので、簡単にご紹介させていただきます。
①ドラフト外でプロ野球の世界に入りました
プロ野球の世界に入る時には、ドラフト会議というものがあります。
将来を有望視されている選手はドラフト1位で指名され、順番に各球団が選手を取り合っていきます。
しかし、野村克也さんは、ドラフトで指名されることはなく、テスト生としてチャンスをもらい、プロ野球の世界に入ったのです。
つまり、大きな期待を背負ってプロ野球チームに入ったわけではないのです。
②打者として素晴らしい結果を残しました
テスト生としてプロ野球の世界に入ったということは、いつ解雇されてもおかしくないという状況です。
しかし3年目に「バッティングの科学」という本の「投手は球種によりモーション時にクセを見せる」という言葉に出会い、投手のクセを研究し、打撃力が格段に向上したといわれています。
攻略できなかった稲尾和久投手には、16ミリカメラでフォームを撮影し研究したそうで、ID野球の基礎が出来上がっていきます。
そして野村克也さんは、数年後にプロ野球を代表するような素晴らしい打者となるのです。
まずは、こちらの記録(いずれもパリーグ)をご覧ください。
・三冠王:1回 / 1965年
(同じ年に、本塁打王と首位打者と打点王を獲得)
・本塁打王:9回 / 1957年・1961年~1968年
・打点王:7回 / 1962年~1967年・1972年
・首位打者:1回 / 1965年
この結果を見てもどれだけ凄い打者であったかが分かると思います。
しかし野村克也さんは、この結果を残したからという理由だけで、ここまで有名なわけではないのです。
③名キャッチャー(捕手)として活躍をしました
キャッチャーという役割が、どのようなものかを体現されたのか、野村克也さんではないでしょうか?
ピッチャーの投げたボールをただ取るのではなく、打者の心理を読み、味方のピッチャーの気持ちを察して、配給を指示して、試合の流れを変えていくというキャッチャーの役割は、野村克也さんが確立されたのではないかと思っている人は多いのではないでしょうか。
また打者の心理を乱すための「ささやき術」なども有名ですよね。
④名監督として名を残しました
現役時代に選手兼監督という時もありましたが、現役引退後に監督としても手腕を発揮します。
弱小チームであったヤクルトスワローズを率いて、9年間で3度のリーグ優勝と、1度の日本一に導いたことで、監督としての評価を高めました。
その際に「ID野球」を掲げ、多くの時間をミーティングに割き、選手に考え方や生き方までも伝えていたと言われています。
その結果、肉体的な素質以上に力を発揮する選手が多く生まれ、野村再生工場などという言葉も生まれました。
その後も、阪神タイガースや楽天イーグルスでも監督を務め、楽天イーグルスでは、チーム創設後初のCSステージにも導きました。
⑤名コメンテーターとして注目を集めました
野村克也さんは選手として引退した後、監督をしていない時には、解説者などで活躍をされました。
てきぱきと滑舌に話すわけではありませんが、ぼやき声の中に今までの解説者にはない面白いコメントがたくさんありました。
そんな解説者としての言葉が注目を集め、書籍を出版する中で多くの名言を残していきます。
代表的なものを、少しだけご紹介します。
・「どうするか」を考えない人に「どうなるか」は見えない。
・楽を求めたら、苦しみしか待っていない。
・自己を過大評価した瞬間から、思考の硬直が始まる。
・限界が見えてからが勝負だ。
・「もうダメ」ではなく「まだダメ」なのだ。
・勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。
・コーチの第一義は、自信を無くしている、目標を失っている選手に、いかに意欲を出させるかということ。
・敵に勝つより、もっと大事なことは、常に自分をレベルアップすること。
感じる心が大切
このように、野村克也さんは様々な名言を残していますが、私が最も印象に残っているのはこちらの言葉です。
感じることができなければ、考えることもできない。 考える力がないということは、感じる力、 すなわち感性が欠如しているということである。
つまり、感性が大切だということです。
さらに、次のようにも言っています。
野球をやる上で「感性」を重要視している。これは生きる上で必要不可欠なことでもある。感じる心がない、薄い人は、どの世界でも疎まれる。
このように感性の大切さは、プロ野球の世界に限ったことではありません。
ビジネスの世界でも、次のような話があります。
次の3人の中で、最も成長が期待できない人は誰でしょうか?
①目の前のゴミに気づいて、ごみを拾う人
②目の前のゴミに気づいて、ゴミを拾わない人。
③目の前のゴミに気づかないで、ゴミを拾わない人。
ズバリ最も成長が期待できない人は、③の人です。
②と答える人も多いですが、この答えの真意は、気づく力がないと、ビジネスの世界では活躍が難しいということです。
では、その気づく力や感性を磨くためには、どうすれば良いのでしょうか?
そのためには、自分の限界を超えるようなチャレンジが必要です。
自分の限界を超えるような場面に遭遇すると、簡単には思い通りの結果が得られません。
そうすると、どうしたら良いかと考えるようになり、向上心も好奇心も出てきます。
そうやって頭をフル回転させる場面が増えていくと、気づく力や感性が磨かれていくのです。
だから挑戦していくというチャレンジ精神が大切になってくるのです。
そして、気づく力や感性が磨かれると、成長する機会が生まれ、人生が楽しくなっていくのです。
いつ振り返っても、野村克也さんの名言は奥が深いのです。
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