世の中には上下関係というものがありますよね。
例えば・・・
・会社における上司と部下。
・部活やクラブ活動における先輩と後輩。
・家庭における親子、などなど。
上下関係に全く触れることなく生きてきましたという人は、誰もいないのではないでしょうか。
その中で上の人は下の人に対して、教えたり指導するという役割があり、そこで様々な学びや成長があるのだと思います。
そんな「上下関係において正解はひとつじゃない」という事例をご紹介します。
目次
- 正解を知ること
- 正解と願望の選択肢
- 不正解の価値
正解を知ること
上下関係があるとすれば、基本的には上の人のほうが下の人よりも知識や経験が上回っていることが多いでしょう。
だから「上の人(上司や先輩や親)と下の人(部下や後輩や子ども)では、どちらのほうが正解を知っているでしょうか?」という問いがあったとするならば、それは上司であり、先輩であり、親でしょう。
だから何か相談事があった時には、上の人が「こうしたほうが良い」という正解を教えてあげることは大切です。
なぜならば、知らないことを知ることが学びの大原則だからです。
正解と願望の選択肢
しかし正解が分かっていても、それを伝えない方が良い時もあります。
それはどんな時でしょうか?
それは相手が「その正解とは反対の意見を持っている時」や「その正解とは反対のことをしたいと思っている時」です。
人間は感情の動物ですから「〇〇したい」とか「〇〇したくない」という気持ちはとても大切で、時として「あるべき論」を超越する時もあるのです。
自分自身で物事を選択する時に、正解はこの選択肢ではないかもしれないけど、自分はどうしてもこちらを選択したいと思ったことは、誰にでもあるのではないでしょうか。
それはなぜかというと、人間は感情の動物であり、欲求や欲望を満たしたいという願望があるからなのです。
生きていく中で様々な上下関係がある中で、上の立場に立った時に、正解を伝えることと、相手の願望を叶えることを天秤にかけて悩むことは多いのではないでしょうか。
不正解の価値
正解を伝えることと相手の願望を叶えることを天秤にかける時に、必ずこうしたほうがいいという答えはありませんが、これをしてはいけないというセオリーはあります。
それは次のようなことです。
「A(正解)とB(相手の願望)と、どっちがいい?」という時に、絶対にAを選択しないといけない状況であれば「Aにしなさい」とはっきり言った方がいいということです。
例えば、生命の危険があるとか、人に迷惑をかけるとか、道義的に良くないとか。大袈裟かもしれませんが、当たり前の選択ですよね。
しかし、そうではない状況で「AとBと、どっちがいい?」と相手に聞くのであれば、基本的に相手の意見を尊重したほうがいいでしょう。
もし、相手がBを選ぶならば、決めつける前に「なんでBがいいの?」と聞いてみるといいでしょう。
新たな発見があるかもしれません。
ここでやってはいけないことは、一度相手に判断を委ねて「Bがいい」と返事をして「分かったよ」と言っているにも関わらず「本当にいいの?」とネチネチと言ってみたり「どうなっても知らないからね!」と脅迫するような言い方をすることです。
そうなったら、大体の人は心を開かなくなっていくでしょう。
仮に「B(願望)」を選択したいと思っている人が、上の人から言われて、しぶしぶ「A(正解と思われるもの)」を選択した時には・・・
・「選択して良かった」と思っても、大した感謝はないでしょう。なぜならば、望んだことではないし、言われて選択したことだから。
・もし「選択して良かった」と思わなかったら「A(正解と思われるもの)のほうがいい」とアドバイスをした人のせいにするかもしれません。
では仮に「B(願望)」を選択したいと思っている人が、上の人から言われて「分かったよ~」とだけ言われ、そのまま「B(願望)」を選択した時には・・・
・「選択して良かった」と思ったら、自分の選択は間違っていなかったんだと自信を持つことになります。なぜならば、自分で選択したことだから。
・もし「選択して良かった」と思わなかったら「A(正解と思われるもの)のほうがいい」とアドバイスをした人の通りにすれば良かったと自分で反省し、次回からもっと聞く耳を持つようになるかもしれません。
だから「なるほどね〜じゃBにしたら〜」と相手の願望を尊重した時には、その後に何も言わないことです。
自分の気持ちを抑え笑顔で応援してあげることが大切で、もし何か困ったことがあったら、いつでも相談できるような雰囲気を醸し出しておくことが大切です。
このように相手の願望を尊重する時に、不正解の価値は生まれるのです。
これは上司と部下の上下関係においてだけでなく、親子の間であっても同様で「正解はひとつじゃない」そして「不正解の価値」を知ることが大切ですね!!
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