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人材育成 〜忘れがちな人事評価のポイント〜

人事評価で大切なことは何でしょうか?

と、10人に聞くと果たして、いくつの答えが返ってくるでしょうか?

間違いなくいえることは、答えが1つではないということです。

それだけ人事評価には、たくさんの大切なことがあるということです。

しかし言い方を変えると、大切なことの優先順位がバラバラともいえます。

人材育成において、人事評価のポイントは何でしょうか?

目次         

  • はじめに
  • 評価を正しく伝える
  • 上司の役割
  • 評価の目的
  • おさらい

はじめに       

人事評価ってどうですか?

と聞くと、次のような声がよく聞かれます。

  • しっかりした評価をしてほしい。
  • 目立たない人も評価してほしい。
  • 頑張った分だけ評価をしてほしい。
  • 評価を給与に反映してほしい。
  • 誰が評価しているかを教えてほしい。

こういう声を踏まえて、企業では、より良い人事評価制度が必要です。

しかし、より良い人事評価制度を構築すると、先程の社員の声は消えていくのでしょうか?

残念ながらそれは断言できません。

評価をする仕組みが組織づくりには必要ですが、それは十分条件ではなく、あくまで必要条件に過ぎません。

評価を正しく伝える  

では、何が足りないのでしょうか?

それが評価で大切なことです。

結論から申し上げると・・・、

人事評価で大切なことは「評価を正しく伝えること」です。

言い方を変えると・・・、

「評価を正しくフィードバックする」ことです。

とても簡単なことですが、できていない会社が少なくありません。

つまりこんな感じのことです。

  • 今回は、こういう評価になりました。
  • あの成果を、このように評価しました。
  • この評価は、ボーナスに反映させます。
  • 個人の評価ルールは、このようになっています。
  • この部分の評価はしていませんが、その理由は〇〇です。

こんなコメントをフィードバックするだけでいいのです。

上司の役割      

そうなんです。こんな簡単なことなんです。

しかし、できていない上司が多いのです。

そして、何よりも踏まえておかなければいけないことは、どんなにより良い人事評価の仕組みを構築しても、少しくらい説明しただけでは、ほとんどの場合は伝わっていないということです。

例えば・・・、

賞与支給のタイミングで、賞与面談をしたとします。

そこで賞与額(ボーナス額)と共に、評価のルールと評価の内容を伝えたとします。

すると、ほとんどの人が賞与額(ボーナス額)は覚えています。

しかし、それ以外の記憶には、個人差が出てきます。

この際の「個人」とは、説明をする側と説明をされる側の両方です。

説明をする側(上司)は、伝える能力が求められます。

評価をされる側(部下)は、関心が高い人は自ら情報をキャッチしますが、そうでない人は、上司のサポートが必要かもしれません。

社員にとって「評価」というカテゴリーは、とても重要であり、とても興味がある分野です。

しかし、理解には時間がかかります。そのギャップが、不満に繋がるのです。

だから「より良い人事評価制度」も必要ですが、そこには「より良い理解」という必要十分条件が存在します。

  • 評価制度を分かった上で、評価に不満があるのか!?
  • 評価制度を分からずして、評価に不満があるのか!?

上司は、どちらの問題が存在しているのかを、正しく把握する必要があります。

もし「評価制度を分からずして、評価に不満がある」のであるならば、評価の仕組みを正しく伝え理解してもらうことで、次のステージに進み、新たな社員の意見や不満に向き合うことができます。

これが社員の本当の心の声です。

そんな声の中には、貴重で有益なものがたくさん存在しています。

評価の目的      

そして、「評価」においてもう1つ大切なことがあります。

それは・・・、

人事評価は「何のためにしているか?」ということです。

  • 人の良し悪しを判断するために、行っているのか!?
  • 人を育てるために、行っているのか!?

どちらの目的で評価制度を運用しているかを、再確認する必要があります。

もし、「人の良し悪しを判断するために行っている」のであるならば、フィードバックの必要はありません。

しかし、「人を育てるために行っている」のであるならば、「評価を正しく伝えること」(評価を正しくフィードバックする)ことは、評価制度を運用する上での必要十分条件になります。

人事評価は、あくまで人材育成の手段の1つであり、目的は人を育てることなのです。

  • 評価をしてその評価を部下に伝える。
  • そしてその評価がなぜそのようになったかを確認します。
  • そのことで、上司と部下の判断基準と評価軸が一致していきます。

例えば、「頑張る」という1つの言葉をとっても、何をどこまで行動することが「頑張る」ことなのか。そのずれを解消していく必要があります。

人事評価とは、評価した結果をどのように運用するかで、価値が高まっていきます。

おさらい       

今の評価する仕組みに、少しでも不安があるのであれば、今回の2点を再確認してみてはいかがでしょうか?

1 評価を正しく伝えること(評価を正しくフィードバックすること)

2 評価の目的を再確認すること(人を育てる目的を再確認すること)

人事評価の基本的な考え方について興味のある方がいたら、ぜひ「人材育成 〜人事評価導入の絶対条件」もご覧ください。

今回の情報が読んでいただいた方の、今後の未来のお役に立てば幸いです。