数字力で「マーケットを見つける」
こういう言葉を見ると、とてもビジネスライク(ビジネスチック)なイメージを持つ人が多いかと思います。
そのように思う人の中に「あ〜ちょっと自分には分からない分野だな〜」と感じる人もいるかもしれません。
その気持ちを言い換えて表現すると「こういう分野はちょっと苦手だな〜」と思っている人もいるかもしれません。
さらにその気持ちを掘り下げていくと「何をしたら良いか分からな〜い」というように課題が見つからない現実があるかもしれません。
逆にいうと課題が見つかれば、物事は解決に向かっていくのです。
目次
- 知識があって知恵が出る
- マーケットを見つける
- たった1つの指標
知識があって知恵が出る
冒頭にあった「マーケットを見つける」ためには、何をしたら良いのでしょうか?
もちろん答えは1つではありませんし、このような時は数字を把握すると共に、思考力が大切になってきます。
この思考力を鍛えることが大切ですし、これは誰にでも鍛えることができるのです。
そしてアイディアという知恵が生まれる背景には、ほとんどの場合は知識が必要です。
知識という土台のないところに生まれる知恵は思いつきでしかなく、結果に結びつくことは少ないのです。
(もちろん結果に結びつく可能性がゼロではないので、色々な人の意見を聞くことは大切です)
例えば「マーケットを見つける」時の知識として、次のような視点は必要です。
それは3C分析と言われるものです。
簡単にご説明すると次のような意味です。
3C分析とは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」について分析する方法で、事業計画やマーケティング戦略を決定する際などに用いられます。
マーケティング戦略を決定する際、自社ではコントロールできない外部環境と自社の内部環境の両面から見ていく必要がありますが、3C分析では外部環境として「顧客」「競合」、内部環境として「自社」を分析対象としています。
マーケットを見つける
先ほどご紹介した3C分析は「マーケットを見つける」時に、大切な知識ですが、絶対的なものではありません。
先ほどもご説明したように、数字を把握すると共に思考力が必要になってきます。
その思考力があって初めて「数字力」があると言えるのです。
しかしこのような説明をすると、少し難しく感じてしまう人もいるかもしれないので、誰にでも分かる事例をご紹介します。
これは誰もが知っている知名度のある企業の社長さんに教えてもらった話で、ある上場企業が海外進出を考えている時に、マーケット調査をしていた時の話です。
その企業が扱っている商材は「紙オムツ」です、その「紙オムツ」が売れそうな国はどこでしょうか?
あなたはどのように考えますか?
先程の3C分析をもとに考えると、次のようになります。
Customer
何よりも自社のお客様と言える人は、どれくらいいるのか?
当然子どもが多い国のほうがいいですよね。
そうすると、人口ピラミッドなどを見るのも1つの手かもしれません。
Company
うちの強みは何なのか?
資金力、商品力、営業力、人脈などなど。
Competitor
各国において、ライバルと言えるような企業はどのくらいいるのか?
たった1つの指標
ちなみに、この上場企業はどのような数字をもとに経営判断をしたのでしょうか?
これは今から15年も前のことなので、もちろん今は違った指標を持っているでしょうが、この時はたった1つの指標で経営判断をしていたそうです。
その指標とは「1人当たりのGDP」です。
具体的にいうと「1人当たりのGDP」が3,000ドルを超えると「紙オムツ」が売れるようになるそうです。
これを最初に聞いた時に、私は目から鱗でした。
簡単に言うと、次のようなカラクリだそうです。
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まず貧しい国ではオムツがありません。
そこから少し豊かになってくると、布のオムツが売れるようになります。
日本も昔はこのような時期があったかと思います。
しかし布のオムツは、何度も洗う必要があり、それが面倒で手間であるため、さらに豊かになってくると「紙オムツ」が売れるようになるとのことです。
その分岐点が「1人当たりのGDPが3,000ドル(USドル)を超える」タイミングだということです。
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私が聞いた話はここまでですが、きっとこの企業も色々な数字を集め、様々な分析をして、この指標にたどり着いたのだと思います。
そして当時はこの指標をもとに経営判断をしていたかもしれませんが、ライバル企業も当然この情報を知ると真似をして、それが強みではなくなる時期がやってきます。
そうなれば、新たに数字を見て考える必要性が生まれてきます。
だから数字力とは、数字を分析する力だけではなく、数字を把握しながら、思考力を発揮することなのです。
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