「数字」という言葉を聞くと、拒絶反応を示す人がいます。
それくらい、苦手意識を持っている人が多い分野かもしれません。
なぜそのように思う人が多いのかと考えてみると、その答えの1つとして数字に触れる機会が少ないということがあるかもしれません。
あなたは日常で何か意識している「数字」はありますか?
体重でもいいし、ウォーキングの距離でもいいし、読書をする本の数なども数字が入ってきますが、いかがでしょうか?
ぱっと出る人もいれば、出ない人もいるでしょうし、明確に手帳やスマホに書いている人もいるかもしれません。
しかし、ビジネスにおいては「数字力」を高めていくことが大切なのです。
そして「数字力」を高めていく時には、課題を知ることが重要なのです。
「私は〇〇をクリアすればスキルアップできるんだ」と分かれば、ちょっと頑張ろうっていう気になりますよね!
目次
- 心地良い表現
- ビジネス語に置き換える
- 組織に与える影響
心地良い表現
2004年に「内側から見た富士通〜成果主義の崩壊〜」という本が注目を集めましたが、ご存知ですか?
この本を読んで私は、ひょっとしたら日本人には数字で明確に評価する仕組みは合っていないのかもしれませんと感じました。
日本人の言語である日本語には、素敵な表現がたくさんあります。
ここでは、参考までに大相撲の昇進時のコメントを集めてみました。
例えば・・・
今後も一意専心の気持ちを忘れず、相撲道に精進いたします。
(若乃花関の大関昇進時のコメント)
今後も不撓不屈の精神で、力士として不惜身命を貫く所存でございます。
(貴乃花関の横綱昇進時のコメント)
横綱の地位を汚さぬよう、精神一到を貫き、相撲道に精進いたします。
(白鵬関の横綱昇進時のコメント)
いかがでしょうか?
どの力士のコメントも、やる気や覚悟が感じられますよね!
このように素敵な日本語からは多くの元気や勇気をもらうことができますし、与えることもできます。
しかし一方で、日本語は表現が曖昧だという見方もできるかもしれません。
いやいや、でも「その曖昧さがいいんですよ〜」という人もいるかもしれませんし、私もそのように思っています。
日本語には心に響く表現があり、行間を読むような奥行きもありますが、曖昧さがあります。
しかしビジネスにおいては、それでは不足していることが多いのです。
コミュニケーションを取る人の間では、価値観や常識レベルを共有できなかったりすると、期待する行動や変化や成果に結びつかないことになってしまう可能性があります。
ビジネスにおいては、いろいろな価値観の人がいますので、日本語の活用方法も工夫が求められます。
ビジネス語に置き換える
情緒あふれる日本語をビジネスにおいてより効果的に使うためには、数字の活用がオススメです。
決して難しいことではなく、日本語に数字を入れていくだけでいいのです。
ビジネスにおいては価値観の違う人であっても、数字を活用して同じ認識(共通認識)を持てるようになると、求める成果が得られやすくなっていきます。
もし日本語があまり話せない外国人とビジネスをしていく時にはなおさらです。
たとえ価値観が違っても、言語が違っても「5」は4の次に来る「5」であり、英語でFiveといえば、日本人でも「5」と理解できるのです。
このようにビジネスにおいては、価値観の違う人であっても、数字を使うことで同じ認識(共通認識)を持てるようになるのです。
組織に与える影響
「頑張ろう」と思って心の中で意識は共有できますが、どれくらい頑張るのかは人それぞれかもしれません。
しかし5億円を目指そうと言ったら、誰でも同じ目標を共有できるのです。
そして「組織の3要素」というものがあります。
それは次の3つです。
- 共通目的(組織目的)
- 協働意欲(貢献意欲)
- コミュニケーション
詳しくは、こちら「誰でも分かる 簡単 組織の3要素」をご覧ください。
(組織づくりにつまづいた時には、この3つを振り返ると課題が見えてきます)
阿吽の呼吸で「やるぞー」と言ったら、みんなが同じゴールを共有し、そこに到達するまでのスピードも同じ認識を持てれば理想ですが、なかなかそうはいきません。
だから組織においては共通目的の理解と共に、目標の共有が大切であり、それが共通目標なのです。
そして共通という言葉があるように、誰もが同じ目標を認識する必要があり、その時に数字が活躍してくるのです。
例えば
- 売上を上げようではなく、売上を1億円上げよう。
- アイディアを出そうではなく、1ヶ月に3つはアイディアを出そう。
- 早くやろうではなく、1週間以内にやろう。
ビジネスにおいて、やる気(モチベーション)や意識はとても大切ですが、それがあれば十分というわけではないのです。
組織が目指す成果を得るためには、素敵な日本語をビジネス語に変え、組織を動かしていくことが必要であり、その時に数字の活用が有効なのです。
数字力に興味のある方は、こちらもぜひご覧ください。
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