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交渉力, 営業の仕組み化

刑事コロンボに学ぶ交渉術 〜テレビドラマだけど教科書〜

突然ですが皆さんは「刑事コロンボ」を知っていますか?

私はとにかく大好きなのです(笑)

好きなだけではなくコミュニケーション能力や交渉術という観点でも、とても勉強になるのです。

これはあくまでテレビドラマの話ですが、現実の世界でも役立つことがたくさんあるのです。

そこで「刑事コロンボ」に学ぶ、交渉術とその魅力をご紹介します。


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目次         

  • 刑事コロンボの特徴
  • 刑事コロンボの交渉術
  • 刑事コロンボの魅力

刑事コロンボの特徴  

「刑事コロンボ」はロサンゼルス市警察殺人課の警察官です。

つまり殺人事件を担当し、犯人を突き止めるのです。

そしてこのテレビドラマの特徴は、開始早々に犯人が分かってしまうのです。

つまり視聴者はすぐに犯人が分かるのですが、それをどうやって証明していくかというところが面白いテレビドラマなのです。

日本だと以前「古畑任三郎」というテレビドラマがありましたが、その展開はまさに「刑事コロンボ」と同じであり、脚本家の三谷さんもモデルとしていたかもしれません。

エンディングに犯人が分かる一般的なサスペンスドラマとは大違いなのですが、そこが「刑事コロンボ」の大きな特徴なのです。

刑事コロンボの交渉術 

「刑事コロンボ」には凄いところがたくさんあります。

しかしそのことを語りだしたら一晩では足りないくらいなので、ここではなるべくコンパクトに(笑)

「刑事コロンボ」のすごい交渉術のポイントを3つご紹介します。

①気づき力

「刑事コロンボ」では、最初は自殺とみられている事件が多くあります。

そして誰もが、これは分かりやすい自殺ですぐに解決できると思っているところ、刑事コロンボだけは「ふとした違和感」に気づくのです。

この気づきがなければ、事件解明には結びつかないのです。

その「ふとした違和感」とはこんな感じです。

 

溺死のはずなのに、なぜプールサイドが濡れているのか・・・

溺死ではなく、他殺の可能性を考えてみると・・・

検視してみると肺に溜まった水から塩素が検出されず、何かがおかしい・・・

 

侵入したと思われる窓の下なのに、なぜか庭の土がない・・・

犯人の進入路は違うのかもしれない・・

もし犯行時間が違うとつじつまがあう・・・

 

これから自殺しようという人がなぜ睡眠薬を飲んだのか・・・

調べてみると・・・とても自殺しようとする人が読みそうにない本を読んでいた

さらに調べてみると・・・その本は自殺の3日前に買ってまだ読みわってない

自殺でないとするとつじつまがあう・・・

こういった気づき力を気にしながら「刑事コロンボ」を見るとめちゃめちゃ面白いのです。

そして「ふとした違和感」を抱いたら、刑事コロンボは納得するまでそのことを突き詰めますし、決してあきらめません。

そのような突き詰める力を執念という姿で描くのではなく、ユーモアを交えて描くところが素敵なのです。

その惚けたキャラクターも面白いのですが、いつの間にかそのキャラクターが犯人を心理的に追い詰めていくのです。

②仮説力

刑事コロンボは、頭がものすごく良くて柔軟で聡明な人です。

抜群の気づき力で違和感を抱き、それを突き詰めていく力を持ち、いくつかのシナリオを頭の中で描きます。

きっとこの段階で、刑事コロンボは犯人を分かっているのだと思います。

実際は本人に聞いてみなければ分かりませんが、そもそもこれはテレビドラマなので、直接聞くことはできません(笑)

その前に主人公の心理状態の台本があるのかは分かりませんが、もしそれがあればとてもとても興味があります。

突き詰めていく中で様々な情報を集めますが、それは闇雲に集めるのではなく、自分の仮説を検証するためのものなのです。

これってまさにビジネスにおける問題解決の基本であり、交渉術の基本です。

そうやって「刑事コロンボ」を見るととても勉強になるのです。

③クロージング力

刑事コロンボは殺人課の警察官なので、ドラマの最後には犯人を逮捕するというエンディングになります。

そのエンディングでは確固たる証拠をもとに犯人を問い詰める終わり方もありますが、確固たる証拠が揃っていない場合もあります。

そんなときには様々なアイディアがクロージングに生かされます。

例えばこんな感じです。

 

盲目の目撃者を連れてきて「犯人を見た」と証言させる。

すると犯人は「おかしい、お前は見えていないはずだ。もし見えるんだったらこれを読んでみろ」と言います。

そしてその盲目の老人はスラスラと本を読んでしまい、犯人が「お前ら俺をだましてるな~」と激怒すると・・・。

コロンボは「その人は盲目の目撃者の双子の兄弟です。あなたが見たのはこちらですね」と盲目の本物の目撃者を紹介します。

そして初めて会ったはずなのに、盲目だと知っているのは殺人現場で彼を見たという確固たる証拠だと言って自白させます。

 

交渉におけるクロージングとは「相手の決断を後押しする力」であり、時にはこのような工夫も必要なのです。

どんな状況であれ、どんな手段を使ってでも仕事を完遂する「刑事コロンボ」は、まさにプロフェッショナルなのです。

刑事コロンボの魅力  

「刑事コロンボ」は素晴らしい台本のもとに最高に面白いテレビドラマなのですが、それに花を添えるのは「刑事コロンボ」の人間的な魅力なのです。

決して2枚目のキャラクターではなく、だらしないイタリア系のアメリカ人で、ボロボロのフランス製の車に乗り、服はいつもヨレヨレのコートで髪もボサボサです。

頭はめちゃくちゃ鋭いのですが、この抜けているようなキャラクターが「刑事コロンボ」の魅力なのです。

一言でいえば親しみやすく、いわゆる愛されキャラとしての三枚目の魅力を兼ね備えているのです。

犯人もついついその魅力に最初は心を許してしまうのですが、いつしか精神的に追い込まれていくのです。

それはまさに、コミュニケーション能力における「問いかける技術」であり、交渉術の「懐に入る技術」なのです。

問いかける技術については、こちら「問う技術の重要性」もご覧ください。

このように「刑事コロンボ」は彼の人間的な魅力と共に、交渉術という観点でも教科書のような素晴らしいテレビドラマなのです。

もし1度も見たことがない人がいたら、ぜひだまされたと思って見てみてください。きっと損はさせません(笑)

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