ファシリテーターには色々な役割がありますが、ミーティングを運営していく中で、参加者の意見や考えを引き出すという役割もあります。
ではそのために、どうしたら良いのでしょうか?
大前提として必要なことは「雰囲気づくり」です。
自分の意見や考えを言っても問題ないという、安心できる雰囲気が大切になってきます。
そのような雰囲気があることで、自分から発信できるようにもなります。
しかし、そのような雰囲気があっても「発信する」というところまでいかない人もいるかもしれません。
そこで大切なことが「問いを投げる」ということです。
ファシリテーターの役割については、こちら「ファシリテーターとは 〜7つの役割と1つのスキルアップ方法〜」をご覧ください。
目次
- 心理を読む
- 真理を読む
- 目的から考える
心理を読む
ファシリテーターとして、ミーティングの参加者に「問いを投げる」時に、誰に問いかけるかという選択はとても重要です。
なぜならば「問いを投げる」相手によって、その場の雰囲気も議論の熱量もガラッと変わってしまうという可能性があるからです。
「問いを投げる」相手によって、望むようなコメントをしてくれる時もあれば、悪い意味で予期せぬ発言をするような時もあります。
では「問いを投げる」時には、どんな人を選択すれば良いのでしょうか?
まず大切なことは「問いを投げる」相手をしっかりと見極めることです。
そのために見極められる材料を、事前に集めておくことが大切です。
ではその材料とは、どのようなものでしょうか?
例えば、このようなものです。
その人は、どのような性格なのか?
主体性があるかどうかという見極めが、大切です。
その人は、どんな意見を持っているのか?
賛成なのか反対なのか、それとも別の意見を持っているのかという見極めが、大切です。
その人は、意見を言いたいと思っているのか?
言いたくて順番を待っているのか、もしくは話を振られれば言える状態なのかという見極めが、大切です。
このように、ファシリテーターとしては、ミーティングの参加者を見極める材料を集めながら、参加者の様子を観察しておくことが大切なのです。
真理を読む
誰に「問いを投げる」かを考えると同様に大切なことは、どんな問いを投げるかということです。
どんな「問いを投げる」かを考える時に大切なことは、視野を広く持って考えることです。
ミーティングにおいては、必ず目的があります。
何のためにミーティングを開催しているかということです。
ファシリテーターがミーティングにおいて「問いを投げる」ことも、ミーティングの目的に沿ったものでなければいけません。
だから、どんな「問いを投げる」かを考える時に、ミーティングの目的を踏まえておくことが大切です。
その場の雰囲気を盛り上げたり、話したい人に話させたりすることは、目的ではなく、主目的を踏まえた手段でしかないのです。
ミーティングに参加して議論の中に入っていくと、どうしても視野が狭くなっていきますが、それは参加者として決して悪いことではありません。
しかし、ミーティングの質を考える時には、誰かが調整しなければいけません。
その役割を担っているのが、ファシリテーターなのです。
ファシリテーターとして必要な要素はたくさんありますが、絶対的な必要条件が3つあります。
それはこちらです。
①俯瞰できる力
②逆算思考力
③ストーリーイメージ力
この3つがあれば、どんな「問いを投げる」かを考えなければいけない場面で、大きなミスをすることはないでしょう。
目的から考える
では次に、どうやって問いを投げれば良いのでしょうか?
いわゆる「HOW」の部分です。
ここで絶対に意識すべきことは、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの使い分けです。
クローズドクエスチョンとは、YesもしくはNoで答えられるような、二者択一の「問い」になります。
この「問い方」の特徴は、答えやすいということです。
一方でオープンクエスチョンとは、YesもしくはNoで答えられないような「問い」になります。
この「問い方」の特徴は、話が広がっていくということです。
もしファシリテーターとして、同調するような意見が欲しい時には、同調しているであろうと見極めた人に対して「今の意見についてどう思いますか?」とオープンクエスチョンを投げかけます。
一方で、反対意見や別のアイディアが欲しい時には「他にも意見があったらいいと思うのですが、誰か別のアイディアを持っている人はいませんか?例えば〇〇さんは何かありますか?」
このように答えやすい、クローズドクエスチョンを投げかけます。
ファシリテーターとして、相手の様子や場の雰囲気によって、臨機応変な進め方が大切ですが「問いを投げる」というセオリーを理解しておくことが重要です。
そして何よりも「問いを投げる」という意識が大切です。