文章でメッセージを伝える時に「相手の立場に立って考える」ことは大切ですが、初めから心を閉ざしているような相手の場合はどうでしょうか?
もっと分かりやすくいうならば、初めから距離を置いている初対面の人はどうでしょうか?
こんな時には、基本だけではなく応用が必要になってきます。
その時に、ストーリーを考えることも、文章力トレーニングに繋がっていくのです。
目次
- 伝わるステップ
- 注意から興味
- 添削の事例
伝わるステップ
ダイレクトマーケティングにおいて「AIDMAの法則」というものがありますが、ご存知でしょうか?
1920年代にアメリカで提唱された、広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスというものがあり、それがAIDMAの法則です。
AIDMAの法則
A:注意(Attention)
I:興味(Interest)
D:欲求(Desire)
M:記憶(Memory)
A:行動(Action)
その後、2004年に日本国内にて、広告代理店の電通によって提唱されたAISASの法則というものもあります。
AISASの法則
A:注意(Attention)
I:興味(Interest)
S:検索(Search)
A:行動(Action)
S:共有(Share)
詳しくは、こちら「AIDMAの法則とAISASの法則とは / 事前期待を考える」をご覧ください。
これはマーケティングにおける法則ではありますが、相手に対してメッセージを発信した時に成果を得るためには、ステップがあるという理解が大切です。
そして文章を書く時にも、相手に「伝わる」までには、ステップがあるのでご紹介します。
注意から興味
先程2つの法則をご紹介しましたが、共通しているのは「A」と「I」です。
そしてその順番も「A」が1番目で「I」が2番目になっています。
つまり初対面であったり、人間関係がまだ希薄な人に対しては、メッセージの内容を構成する文章よりも、注意を引くような文章のほうが大切だということです。
もっと分かりやすく言うと、いくら素敵なメッセージが書かれていても、それを相手が読んでくれないと意味がないのです。
ダイレクトマーケティングにおいて、タイトルが大切だと言われますが、その役割とは何でしょうか?
それは「次(続き)を読んでもらう」ということです。
「次」とは何かと言うと、サブタイトルであったり、目次であったり、本文であったりです。
だからタイトルには「注意を引く」ことや、読みたくなるという「興味を引く」という要素が必要であり、その結果「次を読んでもらう」という行動に繋がっていくのです。
添削の事例
「AIDMAの法則」や「AISASの法則」を意識して文章を書けるようになると、販売や集客に関わる仕事を任せてもらえる未来がやってくるかもしれません。
それでは、具体的な事例をご紹介します。
まずは、こちらの文章をご覧ください。
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いつもお世話になっております。
突然ですが、ウイルス対策を突き詰めると、各自の「自然治癒力アップ」がポイントです。
そこで、今回は健康に関する素晴らしい機器をご紹介します。
この機器は、もともと海外で使われていたもので、全身の健康チェックをしてくれ、さらにその後、臓器や細胞レベルのチェックもしてくれるのです。
今は色々なウイルスが流行っている時期ですが、何事も早期発見が大切です。
早期発見ができると未然防止にも繋がります。
同じウイルスが体内に侵入してきても、自然治癒力のレベルによって、発症の度合いが変わってくるそうです。
だから、自然治癒力を上げていくようなことが大切になってくるのです。
当社でもさっそく購入して使っていますが、その精度の高さにはビックリです。
少し値段は高めではありますが、自分の健康のためと思ったら、きっと安いと感じると思います。
社員がいるから会社も成り立っていきます。
そして、人は健康でないと良い仕事ができません。
だからこそ、社員が常に健康でいられるような取り組みが企業には必要ですよね。
今回ご紹介した機器に興味のある方は、私〇〇までお気軽にご連絡ください。
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失礼のない文章ではありますが、残念ながら「A」と「I」がないのです。
そこで「A」と「I」を意識して修正した文章がこちらになります。
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いつもお世話になっております。
突然ですが・・・ウイルス対策を突き詰めると、各自の「自然治癒力アップ」がポイントだそうです。
今から「ウソのような本当の話」をご紹介しますので、30秒だけ続きを読んでみてください。
パソコンに繋いであるヘッドフォンをこめかみに当てて、パソコンのエンターキーをクリックして、待つこと約3分で、全身の健康チェックをしてくれるし、臓器や細胞レベルのチェックもしてくれるのです。
「え~本当ですか~??」
だからこれは「ウソのような本当の話」です(笑)
驚くべきことは、その精度です。
過去に手術した箇所や、持病、自分が自覚している症状などをズバリあてちゃうのです。
「え~本当ですか~??」
だからこれは「ウソのような本当の話」です(笑)
さらに驚くことにその異常のサインが出ている時は、メンテナンスもしてくれるのです。
「え~本当ですか~??」
当社ではこの「万能ヘッドフォン(仮名)」を購入し、全社員の健康チェックを1ヶ月にわたって実施し、メンテナンスが必要な人は自主的に実施しています。
最初に「絶対にウソだ~」と言っていた私のような人も、みんな「すご~い!!」の声に変わっています。
こんな「ウソのような本当の話」に興味のある方は、私〇〇までお気軽にご連絡ください。
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どちらも字数は500字前後ですが、読んで受ける印象が違いませんか?
どちらが、ちょっと質問をしてみようと思いますか?
どちらが、質問しようと思った時に抵抗が少ないですか?
ちなみにこの文章を読んだリアクションの1つが、こちらになります。
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お世話になっております。
■■の○○です。
嘘のような本当の話・・・・嘘っぽいですねw
ですが、面白そうなので興味があります。
科学はいまだ万能ではなく、可能性は無限大ですからね。
詳細情報を送って頂ければ幸いです。
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「愛の反対は無関心」と言う言葉があるように、文章を書いて発信した時に、最も悲しい結果は「反応がない」ことです。
そんな結果にならないために文章力トレーニングとして「A」と「I」を意識すると、同じ内容でも伝わり方が全く変わってくるのです。
伝える力に興味のある人は、ぜひこちら「伝える力をグングン伸ばす5つのステップ」もご覧ください。
文章の書き方に興味のある人は、こちら「ビジネスに必要な文章力の基本が分かる本」もぜひご覧下さい。