このタイトルからどんなストーリーが想像できるでしょうか??
顧客満足とは、顧客の立場に立ち、顧客の満足や喜びを創造しようという、とても大切なキーワードです。
しかし・・・、
間違った捉え方をしてしまうと、顧客満足も台無しという事例をご紹介します。
目次
- はじめに
- 2人のやりとり
- 原因は何?
- さいごに
はじめに
ここでは、ある会社の事例をご紹介します。
ある顧客から3回目の取引でクレームをもらいました。その内容とは・・・。
- 「全然予想していたものと違う」
- 「思っていたように動かない」
- 「思っていた色と違う」
だから相手の要求は、「弁償してくれ」という内容です。
みなさんだったら、どのように対処しますか?
もしくは相談される上司の立場であればこの対応はとても重要です。
2人のやりとり
担当:お客様の言う通りにしてあげたいです。お客様の立場に立って考えると、使えないものをもらっても困ると思います。
上司:お客様の言っていることは本当なの?
担当:今までの印象では、嘘をつくような人ではないと思います。
上司:全部弁償したら、金額的にはいくらになるの?
担当:それはまだ計算していないです。でも今回満足してもらえると次に繋がると思います。
上司:もともと送ったのはこっち何だから、もしお客様の言っていることが本当だとしたら、うちに原因がある。その内容は何か把握してるの?
担当:それはまだ確認できていないです。
上司:これからもこうやってクレームをもらったらどうする?
担当:お客様が喜ぶような対応を考えて、今回のような要求であればその通りにしてあげることが良いと思います。
上司:なんか自分で言っていることがおかしいと思わない?
担当:いいえ、私はお客様が喜ぶことを一生懸命考えているつもりです。
上司:お前はどっちの会社の人間なんだ(怒)
そんな風にお客様が喜ぶことを考えるんだったら、弁償なんかしないで全部ただであげてしまえ(怒)そうしたらめちゃめちゃ喜んでくれるぞ(笑)
お前の言っていることは根本的にずれてるぞ(怒)
担当:・・・・・。
原因は何?
2人のやりとりはどうでしょうか?
狂ってます(笑)
これは、嘘のような本当の話です。
ではなぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?
顧客満足の前に、ビジネスの基本がわかっていないからです。
人によっては論外と言う人もいるでしょうが、この担当者は本気でこういうことを言っていたのです。
この担当者の考え方でいくと、商品をお客様にただであげればいいのです(笑)
間違いなくお客様は喜んでくれ、次回の注文ももらえるでしょう。その時もお金をいただかなければ、さらに喜んでくれるでしょう。
しかし、そのサービスは期限付きです。自社のお金が尽きると終わります(笑)ビジネスではありません。
例えば・・・、「あなたの給料は誰からもらっていますか?」
このような問いを投げかけた時に「会社からもらっています」という答えと「お客様からいただいています」という答えがあります。
どちらが正解ということではなく、考え方が大切です。
会社は、お客様から必要とされる存在であり、必要とされるサービスを提供することによって、お客様から対価(お金)をいただき、その積み重ねが利益となり、企業が存続する源となります。
顧客満足は大切ですが、自社の利益がないと顧客満足を生み出すサービスも提供できないのです。
企業は大前提として、健全経営をして、適正な利益をあげ、存続していかないといけません。
そのためには、お客様に必要とされ、満足していただくことが必要です。
そしてその満足に対しての対価(お金)を受け取ることで、さらなる顧客満足に繋げていくことができます。
言葉にすると、次のような表現はどれも間違っているわけではありません。
- 顧客満足を常に考えなさい
- お客様の立場に立って考えなさい
- お客様の困っていることを解消してあげなさい
- お客様が喜ぶことを考えなさい
- 自分がされて嬉しいことを考えなさい
しかし「顧客満足」に対して、間違った捉え方をすると狂った結果になってしまうのです。
ビジネスの基本を理解するという大切なことが抜けているのです。
さいごに
でも「狂ってる」ことは、担当者だけの責任ではありません。
これは企業の責任です。
もちろん、担当者はビジネスマン失格ですが。
しかし、お客様の印象は「あの担当者が悪い」ではなく「あの会社はひどい」となります。
ビジネスの大前提を理解していない人が、顧客満足を考え出すと狂ったことが起きます。
しかしそれは本人のせいではなく、幹部であり企業の問題です。
だからこそ幹部は、ビジネスの基本や会社の考え方を、部下に伝え理解させることが最も重要な責務になります。
ここを疎かにしている人は、幹部失格です。
だから良い幹部とは、決して専門性の高い人のことをいうわけではありません。
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