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新人育成, 人事の仕組み化

感動は平等には訪れない 〜新人研修で話すこと〜

私は自社の新人研修を担当しております。

最近は減りましたが、前職時代は他社様の新人研修の役目も多くいただいていました。

そんな新人研修では、どんなことをどんな風に伝えるかを色々と考えます。

それと共に新人の良さを引き出すためには、どうしたら良いかも考えます。

そんな新人研修でいつも話している「感動する話」をご紹介します。

目次         

  • 新卒の魅力
  • 2つの質問
  • 実話
  • 感動はなぜ生まれた?

新卒の魅力      

まず「新卒って魅力的ですか?」とよく聞かれますが・・・、

私の答えは「とっても魅力的!」です。

中途とは伸びしろが違うんです。

だから面接の時にも、即戦力とは期待していないけど、将来会社を担ってくれるメンバーとして期待している。

だからまずは早く戦力になれるように頑張って!!と。

そして、新しく入社してくれた人に伝えたいことがたくさんあります。

例えば・・・

  • 入社してくれて出会えたことへの感謝
  • 希望に満ち溢れた心へのサポート
  • 今後共に成長していくための心構え
  • 社会人として必要な常識、などなど。

その中でここ数年、私がとても気にいっていて、どこでも話していることがあります。

この話は私が以前講演を聞いて感動した話なのですが、少し質問調にアレンジして新人研修で活用しています。

一部ではありますが、ここでその「感動する話」をご紹介します。

2つの質問      

今から2つの出来事を話しますので、そこで「何かおかしいな」とか、「何かモヤモヤするな」と思ったら、その場で手を上げてください。

ではまず、1つ目の出来事です。

「朝7時に70歳のおばあちゃんがお店にやってきました」

「何か変だな〜と思ったことはないですか?」

ここで最も多い質問が朝7時にお店はやっていないのではという内容ですが、この実話では、やっていたそうです。

ここでは、ほとんどの人が「???」の顔です。

経験上30人に1人が手を上げる程度です。まだ様子見をしているような印象です。

では、2つ目の出来事です。

同じように「何かおかしいな」とか、「何かモヤモヤするな」と思ったら、その場で手を上げてください。

「するとテリヤキバーガーを1つ下さいとおっしゃいました」

「何か変だな〜と思ったことはないですか?」

えっもう質問は終わりなの?という拍子抜けした雰囲気と共に、質問はチラホラという感じで、経験上で10人に1人が手を上げる程度です。

ここで次のようなことを、伝えています。

これから紹介するのはとても「感動する話」です。

しかし、ここまで手を上げられなかった人の未来では、残念ながら訪れない「感動する話」です。

マニュアル通りに、最高の笑顔で「かしこまりました」「ありがとうございます」と対応していても出会うことがない話なのです。

ではそうならないために、これから社会で生きていくために、どのようなことが必要なのかと問いかけて、実話を紹介しています。

実話         

こちらが新人研修で紹介している「感動する話」です!

これを読んでいただいた方の人生に、何かの好影響があったら幸いです!

・・・・・・・・・・・

朝の7時に70歳のおばあちゃんがお店にやってきました。

すると「テリヤキバーガーを1つ下さい」とおっしゃいました。

女性スタッフ:おばあちゃん、テリヤキバーガーがお好きなんですか?

おばあちゃん:「いえいえ、実は私の一人息子が今日両足を切断する手術なんです。もしかしたらということもあって、息子に何か食べたいものはないかと聞いたら、テリヤキバーガーと言ったんです」

女性スタッフ:「ありがとうございます。それでは最高に美味しいテリヤキバーガーをお持ちしますので、少々お待ちください」

おばあちゃん:「ありがとう」

この女性スタッフは厨房に注文を伝える際に、状況を説明しあるアイディアを提案しました。そしてスタッフ一同は帰り際にこんなことをしました。

その時間たった1人のお客様のために、スタッフ3名が玄関まで出てきて、「どうぞお大事にしてください」と笑顔で見送りました。

(もし、マニュアルがあるのであれば、最高の笑顔で「ありがとうございました」とあいさつをすると書いてあるでしょう)

後日、そのおばあちゃんは無事に手術を終えた息子さんと共に、また来店されたそうです。

感動はなぜ生まれた? 

このストーリーは、誰が聞いても感動するのではないでしょうか?

しかし新人研修で話しているこの「感動する話」は、誰にでも平等に訪れる話ではないのです。

おばあちゃん、テリヤキバーガーがお好きなんですか?」という1つの「問い」を口に出さなかったら、出会えないストーリーです。

では、この「問い」を言えるような人間になるには、どうしたら良いのでしょうか???

「人に対して関心を持つこと」

その「関心」が、「思いやり」に繋がっていきます。

その「思いやり」が、ポッと出る質問に現れるのです。

何度読んでもこの「おばあちゃん、テリヤキバーガーがお好きなんですか?」という「問いかけ方」は素敵です。

今回ご紹介した感動する話は、このおばあちゃんと会った人に訪れるのではなく、この問いかけができる人に訪れるのです。

今回の事例は、女性スタッフの思いやりが生んだ感動する話なのです。