「初心忘るべからず」と聞いて・・・。
そうだよなぁ~と共感した経験はありますか?
私はたくさんあります。
その積み重ねが、人格形成にも大きく影響します。
しかしそれは、経験するだけではなく、その経験を謙虚に受け止め、その後の未来にどのように活かしていくか、自分の行動をどのように変えていくかという思考と行動が人格形成に大きく影響します。
では「初心」って何でしょうか?
ここでは、そんなことを改めて考えさせられる事例をご紹介します。
目次
- 1年目のCくん
- 2年目のCくん
- Cくんの気持ち
- 「初心」とは
1年目のCくん
リクルート活動においては、学生に対して会社説明会という機会があります。その担当をしているCくんの事例です。
彼は自ら志願して、この担当をするようになりました。
入社時は別の部署でしたが、入社2年目に異動希望を提出して、今の業務を兼務するようになりました。
経験が少なくても20代という年齢が、学生の気持ちに寄り添えるということで、ちょっとした抜擢人事です。
最初の1年目は、頑張っていました。
もちろん上手でないことや慣れていないことはありましたが、「一生懸命」に必死に取り組んでいました。
一生懸命というのは違う言葉で言い換えると、目の前のことに「心を込めて」取り組んでいたと言えるかもしれません。
2年目のCくん
そんな彼が経験を積み、自信をもって臨んだ2年目はどうだったのでしょうか?
残念ながらたくさんのミスがありました。しかし、ミスをしただけで悪いということではなく、大切なことはそのミスの内容です。
積極的なチャレンジをした結果招いてしまったミスであれば、その経験を未来に活かすことで、教訓となります。
しかし、今回のCくんの場合はそうではなかったのです。
例えば・・・、
- 学生に送るメールを宛名違いで送ってしまったり。
- 面接前に履歴書を準備できていなかったり。(結果的に事前情報が乏しい状態で面接をします)
- 外部で行う説明会で説明会資料を忘れたり。(結果的に資料なしで説明をします)
- 外部で行う説明会で持っていく予定であったプロジェクターを忘れたり。(結果的に画面に映すものはなしで説明をします)
「どうしたの?」というようなミスが多くありました。
Cくんの気持ち
もちろんミスは良くないことです。
しかしそれ以上に良くないのは、Cくんの姿勢でした。
しかしそれを伝えてもなかなか心に響かないと感じた時に、その認識がないことに気づきました。(補足をすると、彼は決して不真面目な人間ではありません)
そこで振り返りを文章で書く課題を与えました。文字にするという行為は、頭で考えるよりも、はるかに脳を刺激します。
その内容には、次のようなことが書かれていました。
100%の力を注げていなくて、いろいろなミスを犯してしまってすみません。そして、その原因として、次のようなことが書かれていました。
- 今まで通りで良いと思っていた。
- チャレンジ精神がなかった。
- 日程的にハードだった。
- 「こなしている」感覚があった。
- 自分の性格も問題だった。
しかし・・・、残念ながら・・・、
ポイントが全くずれているのです。
初心とは
だから課題は再提出です。
そして2回目の返事は・・・。
何がずれているのか分からないので、教えて欲しいという内容でした。
彼は真面目な人間です。しかし、真面目だから良いというわけではありません。
彼の現状は・・・一言でいうと・・・「初心を忘れている」のです。
「初心を忘れている」のです。
相手の立場に立って、行動ができていなかったのです。
目の前のことに、心を込められていなかったのです。
彼が文字で書いた反省点はあくまで現象であって、根本的な原因ではなかったのです。それが少なからず分かった今、彼が今度どう変わっていくか、何を変えていくかが、大切な課題です。
「初心」とは、とても大切です。
最初は、知識や技術や経験がありません。それでも目の前のことを乗り越えようとしたときに、できることは目の前のことに「一生懸命」に向かうということです。
そして目の前のことに関わりがある人の立場に立って考え行動するということです。つまり「心を込める」ということです。
これは、新人でも誰でもできることです。逆にいうと、知識や技術や経験もない新人は、自分にできることを考えた時に、必然的にこの2つにフォーカスするのです。
この「一生懸命」と「心を込める」が初心です。
この気持ちを忘れずに、知識や技術や経験がプラスされていくと、仕事人として替えのきかない存在になっていきます。
しかし、知識や技術や経験がプラスされても「初心」がなくなってしまうともう台無しです。
それほど「初心」は大切なのです。
どんなテクニックを持っていても「初心」がなければ相手の心に響かないのです。
1人の人間として、1人の社会人として、大切なことは・・・、
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