「人のために」とか「その人のことを思って」という言葉をよく聞きますが、その「思い」とは、どれほどのものでしょうか?
「思い」とは、言葉では表しにくく、見えにくいものではありますが、人間は不思議と五感でその「思い」を感じとります。
そんな経験はありませんか?
思いやりとは・・・「思いは思いやりを通して見えるもの」なのです!
神様が人間を創造したのであれば、本当に繊細に創られたと感嘆してしまいます。
目次
- 思いやりは見える
- 2人のコンサルタント
- 守るべきもの
思いやりは見える
2011年の3月に東日本大震災がありましたが、あの後広告を自粛したり、広告掲載を一時的にストップする企業が多く、TVCMにも色々な影響がありました。
そんな時に、公益社団法人ACジャパンのCMが多く流れていたことを覚えていらっしゃいますか?
そこでは、次のようなメッセージが流れていました。
「こころ」は誰にも見えないけれど「こころづかい」は見える。
「思い」は見えないけれど「思いやり」は誰にでも見える。
このACジャパンのCMは、そこに出てくる映像(電車の中で妊婦さんに席を譲る女性の姿を見て、なぜ自分は座ったままでいたんだろうと心の中で後悔していた高校生が、電車を降りた後に街で階段を登るお年寄りを見かけ、一瞬迷った後におばあちゃんの手をひくシーン)と共によく覚えています。
実際の映像は こちら をご覧ください。
そうなんです。
「思いは思いやりを通して誰にでも見える」のです。
2人のコンサルタント
あれから9年経った2020年には、新型コロナウイルスという新たな波が、人類に襲い掛かっています。
観光業や飲食業を始め多くの企業が苦しむ中、各企業では経費の見直しを行っています。
例えば、お付き合いで加盟していたグループを退会したり、マンネリ化していた広告を削減したり、コンサルタント費用を見直す企業もあります。
そんな中、知り合いの2人(HさんとMさん)の事例をご紹介します。
Hさんは企業側から「コンサルタント費用を一度見直したいと思うので」と相談を受け、「苦しいと思いますので半分にしていただいて結構です。そしてその分はコロナ禍が収束してから払ってもらえれば大丈夫です」と答えました。
要は後払いということです。資金繰りを考えるとこれだけでもありがたいことです。
一方でMさんは、自らクライアント企業に「今はとても苦しく先が見えない状況かと思います。もし経費の見直しが必要な時には、真っ先に私のコンサルタントフィーをカットしてください。0円で結構です。しかし仕事はさせてください。仕事をしないと私は死んでしまいますので」と言ったそうです。
そしてMさんは、「クライアント企業もみんな厳しいし見通しもまだ立っていない状況だから、自分が自己破産するかもしれない」と家族に覚悟を促していたそうです。
この文章だけでも、2人の「こころ」や「思い」が見えませんか?
はい、丸見えなのです!!
この時に思ったことが、「私は丸見えでも大丈夫!」という状況をつくることが大切で、それが健全な姿勢なんだということです。
そしてこの健全な姿勢がなく、隠したり取り繕う(つくろう)ことが多いと、精神病を誘発するのかなと思います。
これはあくまで、私の個人的な見解ですが・・・。
守るべきもの
2人とも素晴らしい知識や能力を持った人ですが、何が違うのでしょうか?
Hさんは、人のために考えてくれています。言い方を変えれば、自分が立っている場所から相手のことを考えているのです。
一方でMさんは、自分の立っている立場から相手の立っている場所に移って、相手の立場で考えているのです。
少なくとも私はそう感じたのです。
詳しくはこちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」も後でご覧ください。
Hさんが守るべきものは「まず自分」であり、Mさんが守るべきものは「自分のポリシー(生き方)」なのです。
ちなみにMさんは前職の先輩で、今も情報交換をさせていただいている素晴らしい方です。私自身もMさんから多くの学びと刺激を今もいただいています。
やっぱり人生は、出会う人で変わっていきます。
冒頭でご紹介した下記のACジャパンのCMの詩ですが・・・
これは詩人である宮澤章二さんの「行為の意味」から引用されたものだそうです。
そして原文には次のように書かれています。
確かに「こころ」はだれにも見えない
けれど「こころづかい」は見えるのだ
それは人に対する積極的な行為だから
同じように胸の中の「思い」は見えない
けれど「思いやり」はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為だから
人生における出会いも「こころ」や「思い」が、「こころ遣い」や「思いやり」という行動に移ることによって結ばれていくものだと思います。
思いやりとは・・・「思いは思いやりを通して見えるもの」なのです!
「人生は丸裸でも大丈夫です」と胸を張って生きたいものです。
とは言ってもそう簡単にはいかないので、日々勉強です(笑)
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