営業における初対面では、コミュニケーション能力に関わることだけでなく、大切なことがたくさんあります。
言い方を変えれば、営業に携わることで多くのことを学ぶことができるのです。
例えば「相手の立場に立つこと」や「ゴールを見極めること」や「ストーリーを考えること」などがあります。
これらのことはとても大切ですが、思考の話であって、営業の現場ではそれ以上に対人能力(コミュニケーション能力)が求められます。
それを営業というビジネスで活かすことができると、成果に繋がっていくのです。
営業においては、相手にボールを投げることが大切なのですが、その前に2つの不安を解消する必要があります。
目次
- 1つ目の不安を解消
- 2つ目の不安を解消
1つ目の不安を解消
営業における初対面では、どのようなコミュニケーションを意識していけば良いでしょうか?
そんな時にも、相手の立場に立った思考が大切です。
では、営業における初対面において、相手はどのような心理状態でしょうか?
多くの人は、構えています。
言い換えると、警戒をして不安を持っています。
では、何に不安を持っているかというと、次の2つです。
①目の前の人への不安
②先が見えないことへの不安
だから営業においては、まずこの2つの不安を解消していくことが大切なのです。
まず1つ目の「目の前の人への不安」を解消するためには、出会って5秒が勝負です。
この5秒という時間を3秒や10秒や15秒という人もいますが、厳密に何秒かは私も分かりません。
ではなぜ私が5秒かというと、それは過去に完全歩合制の営業している時に、5秒と教えてもらったからです。
ではその5秒の間で、何を意識すれば良いのでしょうか?
それは、ズバリ見た目です。
その根拠は、メラビアンの法則です。
メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションを図る際、相手にどのような情報が影響を与えるかを整理した心理学の法則です。
その法則によると、3つの情報が次のような割合で相手に影響を与えるとのことです。
55%:視覚情報(見た目の情報)
38%:聴覚情報(口調や話のスピードなど)
7%:言語情報(話の内容など)
上記の3つをそれぞれ英語表記した際の頭文字をとって、「3Vの法則」といわれることもあります。
Visual:視覚情報
Vocal :聴覚情報
Verbal:言語情報
端的にいえば、話の内容よりも「目や耳から入る情報の方が重要だ!」ということです。
例えば、こんなことってないですか?
- 正直、話の中身はよく覚えてないんだけど、なんかあの人頼りになりそうだよなぁ〜。
- 他の人から前にも聞いたことある内容だけど、なんか凄く今日は腑に落ちた。
- なんかよく分からないけど今日は納得しちゃった、などなど。
このように人はまず視覚で相手を判断するので、見た目が大切なのです。
ではどんな見た目が良いかというと、その時にも相手の立場に立った思考が大切です。
ちなみに私が20代で、経営コンサルタントの世界に飛び込んだ時には、相手が自分の親世代の経営者であったこともあり、先輩コンサルタントからは次のようなことを言われていました。
- メガネをかけろ
- 地味な色のネクタイをしろ
- 前髪を上げろ
この具体的な3つが良いかどうかは別にして、なぜこの3つを先輩が言っていたかというと、実年齢以上に見えるような工夫をしろということだったのです。
しかしこれは職種やビジネスにおいて接する相手によって変わってくるので、相手の立場に立って見た目を考えることが大切なのです。
2つ目の不安を解消
次に、2つ目の不安の解消です。
2つ目は「先が見えないことへの不安」です。
具体的には、話の展開が分からないということです。
この不安を解消するためには、次の3つを抑えることが大切です。
①目的とゴールを明確にする
「この人は、いったい何をしに来たんだ!?」という不安を持たれてしまうと、相手は心を開かないものです。
②ゴールとメリットを紐付ける
営業の話を聞くことによって、ゴールが見えたとしても、そこにメリットや得るものが感じられないと、相手は心を開かないものです。
③時間を明確にする
ゴールが明確になり、そこにメリットが見えても、そこに費やす時間が8時間と言われたら、多くの人は拒否するでしょう。
営業という行為は相手の時間をいただくことになるので、その時間が分からないまま話が進めば進むほど、相手は不安になるのです。
このように、営業における初対面では、短い時間でこの2つの不安を解消することができると、次の「相手にボールを投げる」段階に入ることができます。
そうすると、コミュニケーション能力を活かす場面がやってくるのです。
営業における「イメージマップ」については、こちら(営業における「考える力」に限界はある!?)をご覧ください。
1 ピンバック