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目標設定, 目標の仕組み化

目標と目的の違い 〜共通目標設定が重要〜

組織においては、目標と目的が存在しますが・・・。

はたして、目標と目的の違いとは何でしょうか?

目標がない組織なんてイメージができない。

もしくは、目標に対してガミガミ言われないのは嬉しいけど、そうなったらどんな風に仕事をしたらいいのかな〜、などなど。

目標がない組織というものに、ほとんどの人は馴染みがないのではないでしょうか?

では目的はいかがでしょうか?

目次         

  • はじめに
  • 共通目標の必要性
  • 共通目標とは?
  • 共通目標がない!?
  • さいごに

はじめに       

究極の組織においては、目標と目的の違いなんてたいして重要ではないと思います。

目標なんてあってもなくてもどちらでもいいし、対して重要な話ではない。

それは、なぜでしょうか???

例えば・・・

「この〇〇という商品を使って、世界中の人を感動させる仕事をしてくれ」という企業の目的をトップが発して、「はい、分かりました!」と全員が動き出したらどうでしょうか?

まさに阿吽の呼吸で、目を合わせるだけで相手の思いを理解することができ、何を望んでいるかを理解して行動できるような人が集まった組織だったら、これ以上素晴らしいものはないのではないでしょうか。

このように企業の目的である「理念」で組織が1つになるのであれば、目標なんて必要ないのです。

共通目標の必要性   

しかし・・・、現実そんなに簡単ではありません(笑)

では、なぜそんなに簡単ではないのでしょうか?

それは、人それぞれの価値観や常識レベルが、統一されていないからです。

例えば・・・

頑張る度合い。

頑張ることについては同じ認識ですが、どれほどの頑張りをするのか。自分自身の許容範囲で頑張るのか、それともいわゆる本気で、それこそ死ぬ気で頑張るのか。

例えば・・・

スピード感。

今日中に終わらせようとするスピード感なのか。それとも今月中に終わらせるつもりなのか。

このように組織において各自の物差しを、理念だけで統一することは少し現実的ではありません。

そこで組織において大切になるものが、共通目標となります。ただの目標ではなく、共通目標です。

共通目標とは?    

例えば・・・

うちの会社はこういう目的(理念)があるから、世の中に存在する意義がある。

その上で、私たちはあそこに向かって進んでいくぞという、その組織に属する全員が同じ方向を指差すものが共通目標です。

例えば・・・

もう少しわかりやすく説明できるのがスポーツです。

どんなにチームワークが悪く完成度が低いチームでも、試合が始まれば目指すものは勝利です。

これは誰に聞いても同じ答えが返ってくるでしょう。

誰も負けるために試合をする人はいません。

だからスポーツにおける共通目標は設定しやすいものです。

しかし、こんな共通目標を組織で設定し、それを全員が認知し、日々意識している企業はどれほどいるでしょうか?

全員が即座に「うちの会社の共通目標は◯◯です」と答えられる組織は、かなり共通目標が浸透しています。

共通目標がない!?  

以前、経営コンサルタントを専業としていた時に、見た目のこわ~い、そして頭が極めてロジカルな先輩コンサルタントのMさんがいました。

私がチーフを務める愛知県の企業診断に、わざわざ福岡県から応援に駆けつけてくれました。

実際は応援というより名古屋支社に入った若造が、しっかりできているかの審査だったのですが・・・(笑)

そしてその作戦会議において、Mさんが診断チームメンバーに対して一言・・・。

「ここの会社の課題はなんだ!?それぞれ一言で言ってみろ!!」

  • 「え〜、業績が悪化していることです」
  • 「え〜、資金繰りが悪化していることです」
  • 「え〜、社員のモチベーションが低いことです」
  • 「え〜、管理者が曖昧なことです」
  • 「え〜、在庫管理ができていないことです」
  • 「え〜、販売戦略が不明確なことです」

一通り全員が言葉を発した後で、Mさんから・・・

「お前ら〜!こんなんで会社の改善ができるのか〜。ナメんじゃねーぞー!!」と。

このような言い方が良いかは別にして(笑)、私はこのように本気で真剣に接してくれる諸先輩方のおかげで、今があります。

一切の建前はなく、本当に感謝しています。

それと共に、会社を良くすることとは決して生半可な気持ちで出来ることではないということも、叩き込まれました。

さいごに       

目標と目的の違いを組織で見える化することが重要です。

その中で、共通目標は大切です。

そして共通目標を設定した後は・・・。

  • いつまでにそこに到達するのか。
  • そしてどのようにそこまでに到達するのか。
  • そして誰がどんな役割を担って到達するのか。

このように共通目標を項目ごとに整理することで、計画づくりが可能になります。その計画づくりがワクワクするのですが・・・。

そのためにも、目的である「理念」と大切な「共通目標」の違いを見える化し、計画づくりをスタートさせることが、組織における仕組み化に繋がっていきます。