管理職とは、とても大切な存在です。
これに反論はないと思います。
では具体的には、どのように大切なのでしょうか?
これに対しては、色々な意見があると思います。
ではどのくらい大切かというと、それは管理職本人ではなく、周りの人が決めるものなのです。
つまり管理職の人は、周りの人から大切と思われるような努力をする必要があるのです。
では、具体的にどのような努力をすれば良いのでしょうか?
ここでは管理職の役割である、5つの責任をご紹介します。
目次
- ①理念体現の責任
- ②業績の責任
- ③育成の責任
- ④報告の責任
- ⑤業務改善の責任
- まとめ
①理念体現の責任
どこの会社でも「こういう会社にしたい」という「思い」があります。
この「思い」という中には、いろいろな要素があります。
- 事業
- 未来
- 規模
- スピード感
- 雰囲気
- 風土
- 節度
- 人財
- 待遇
まずはこのような会社の思いを理解して、それを体現し、部下に見せる責任が管理職の人にはあります。
例えば・・・
明るい会社を目指しているのに、管理職の人が暗くてはいけません。
例えば・・・
チームワークを大切にしているのに、管理職の人が自分の仕事だけをやっていてはいけません。
例えば・・・
規模を拡大していきたいのに、管理職の人が今までやってきたことだけをしていてはいけません。
管理職とは、常に背中で周りの人に語れることが大切なのです。
②業績の責任
一方で会社においては「思い」だけを語っていても「結果」を出していないと説得力がありません。
その結果とは、ズバリ「業績」です。
いくらマインドや雰囲気が良い会社であっても、お金がなくなれば倒産してしまいます。
だから会社が存続するために、お金の原資となる利益を出していくという最低限の義務があるのです。
その義務を果たすことが、管理職の人が果たすべき責任なのです。
その利益に貢献するために、管理職の人は会社の現状を数字で理解できる知識と分析力と思考力が必要なのです。
「数字」というと苦手意識を持つ人がいるかもしれませんが、最初のステップは「数字に慣れる」ことです。
苦手意識がある人は、こちら「数字に弱い社会人のための苦手意識を克服する方法」をご覧ください。
③育成の責任
少人数の会社であれば、管理職などは必要ありません。
例えば5人の会社であれば、社長の指示のもとに動く社員がいればよいのです。
- 変に管理職というフィルターを通すと、伝えたい「思い」が歪曲して伝わってしまうかもしれません。
- 変に管理職というフィルターを通すと、業績に繋がる戦略が歪曲して伝わってしまうかもしれません。
- 変に管理職というフィルターを通すと、大切なことが歪曲して伝わってしまうかもしれません。
ではなぜ管理職が必要かというと、ある一定の規模を超えると社長1人では育成ができなくなるからです。
だから管理職には、人を育成する責任があるのです。
④報告の責任
ちなみに、会社で何か問題があったら、その責任は誰が取るのでしょうか?
それはトップである社長です。
だからそのトップが「知りません」や「分かりません」ではいけないのです。
だから管理職の人は会社の社会的責任を理解し、上下のパイプ役として、上には報告の責任があり、下には説明の責任があるのです。
ちなみに、報告の責任を果たしているかという簡単な判断基準があります。
それは「〇〇は終わった?」と聞かれていないということです。
「〇〇は終わった?」と聞かれる前に「〇〇は終わりました」と報告できると、相手は安心するのです。
⑤業務改善の責任
業務の中で不都合なことがあると、色々な感情が出てきます。
最も多い感情は「不満」です。
何でもうまくいかないと「イラッ」とするのです。
しかし管理職の人は、それではダメです。
管理職の人が表に出すべき感情は「不満」ではなく「意見」であり「提案」なのです。
業務で不都合なことが起きたら、それは改善のチャンスであり、物事がうまくいっている時には部下に手柄を渡し、うまくいかなくなった時こそ管理職の出番なのです。
まとめ
ここでご紹介したように、管理職の人が意識すべき5つの責任がありますが、これが全てではありません。
10個の会社があれば、10通りの課題が存在します。
また業界の動向や会社の現状、そして周りの管理職や社員の状況によっても、課題が変わってきます。
管理職の人は常に会社を俯瞰し、バランスを考えられるようでなければいけません。
管理職とはこうあるべきと思っても、その会社の現状によって「あるべき姿」や「演じる役割」が変わることもあるのです。
詳細はこちら「組織づくり 〜マトリクスをベースに考えてみました〜」をご覧ください。
大切なことは、自社の課題を明確にして、管理職の役割を明確にして、そして何よりも自ら行動することです。