「べき論」に大した価値はない 〜べき論は無能の証明〜

色々なスキル

あなたは「べき論」という言葉を聞いたことがありますか?

「あるべき論」という言葉で、覚えている人もいるかもしれません。

これはとても大切な考え方ですが、使い方や誰に向かって言うのかということでも、効果が変わってきます。

例えば、自分に言い聞かせるような使い方だと、人生の軸になるかもしれません。

「私はこんな人生を送りたい。だからこんなことをしていくべきなんだ」と思えると、生きていく上での行動指針になるかもしれません。

スポーツ選手だったら「上手くなるためには、こんな練習をしておくべきだ」と思えると、日々の練習においてモチベーションが上がるかもしれません。

一方で「べき論」を相手に言ったり、問いかけるような時もあるでしょう。

親が子に言うような時や、上司が部下に対して言うような場面が多いかもしれません。

「明日の提出だったら、今日中にここまでやっておくべきでしょ~」とか「営業の仕事をするんだったら、こんなことは知っておくべきでしょ~」という会話は、あなたも聞いたことがあるかと思います。

そんな時に、相手に「べき論」を問いかけることによって、相手の行動が良い方向に変わっていけばいいのですが、残念ながらそのようにならない時もあります。

そこには、どんな違いがあるのでしょうか?

「べき論」を伝えることで、相手の行動が変わるパターンは単純です。

それは、例えば仕事においては、上司が部下に向かって「こうすべきなんじゃないの~」と言い、それに対して部下が納得し「わかりました」と素直に受け入れ、その後の行動が変わるパターンです。

だから、人が成長していく中で「素直さ」って大切です。

では反対に「べき論」を伝えても、相手の行動が変わらないパターンとはどのようなものでしょうか?

そこにはいくつかのパターンがありますので、ご紹介します。

①仕事において「こうすべきなんじゃないの~」と言われても「そんなことないんじゃないですか!?」と思って行動を変えないパターン。

つまり「べき論」に対して、納得していないパターンです。

(仕事においては、納得していなくても、進めなければいけない時もありますが、それはさておきまして・・・)

では、どこに対して納得していないのでしょうか?

こればっかりは、その本人に聞いてみないとわかりませんが、例えば次のようなケースが考えられます。

「目標に到達していないんだから、この商品を売ってでも販売実績をあげるべきでしょ~」と言われたにも関わらず、「この商品を売っても絶対にお客様は喜ばないので、売りたくない」と思っているような場面です。

他にも色々なパターンがありますが、1つ言えることは、相手が納得していないにもかかわらず、何度も「べき論」を言い続けても相手の行動は変わらないということです。

つまり「べき論は無能の証明」なのです。

そんな時は、相手が何に対してどのように納得していないかを知る必要があります。

②仕事において「こうすべきなんじゃないの~」と言われ、頭では理解していても「あなたの言うことは聞きたくない(もしくはあなたの手柄はつくりたくない)」というパターンです。

こんな反抗的な態度は、子どもに多く見られるかもしれません。

こんな場合は、当事者である上司と部下の人間関係を改善しないと、相手の行動は変わらないでしょう。

(仕事においては、好き嫌いという感情が先に来てはいけないのですが、感情の動物である人間はそう上手くはいかないのです・・・)

上司が「あいつは本当に子どもみたいだな~」と部下に対して嘆いても、相手の行動は何も変わらないのです。

こんな時の上司の役目は、部下を評価することではなく、部下に変化の気づきを与えることです。

③仕事において「こうすべきなんじゃないの~」と言われ、頭では理解していても「やりたくない」というパターンです。

「やりたくない」のに「やれ~」と言われて、あなたはやる気になりますか?

(確かに、やる気がなくてもやらなければいけない時があるのが仕事ですが、この状況が続いていくと、人は転職を考え、目の前から去っていってしまうかもしれません)

このパターンが件数としては最も多く、一番コミュニケーション能力が問われるかもしれません。

なぜならば「べき論」については理解できているので、これ以上言っても意味がないことに加え「やらない理由」が見えにくいからです。

例えば、次のようなケースが考えられます。

・怯えてしまうパターン

「クレーム出したんだから、そんなもんすぐに謝るべきだろう」と言われて、頭では理解していても、怒られるのが怖いから「やりたくない」と思ってしまうパターン。

・不安になってしまうパターン

「こんなチャンスなかなかないし、突然だけどここでプレゼンするべきでしょ」と言われて、頭では理解していても、失敗したらどうしようと思って「やりたくない」と思ってしまうパターン。

・意味を感じないパターン

「これは会社の決まりだから、報告書を書いてレポートを提出するべきだからよろしくね」と言われて、頭では理解していても、どうせ誰も見てくれないじゃんと感じていて「やりたくない」と思ってしまうパターン。

いかがでしょうか?

ここでご紹介した理由以外にも、やらない理由や行動が変わらない理由があるかもしれませんが、大切なことは「べき論」で人は動かないということを前提として、その背景にはそれぞれの感情があることを理解することです。

つまり、べき論を何度も何度も言い続けることは、無能の証明と思われてしまう危険性があるのです。

そして、そのようなことを踏まえたコミュニケーションが必要だということです。

何度も繰り返し「べき論」を言うことが大切な時もありますが、それが通用しなければ言えば言うほど悪循環になっていくのです。

何度も「べき論」を言っても変わらないのであれば、時にはその言い方や伝え方や自分自身のコミュニケーション能力を見直す必要があるのです。

コミュニケーション能力の基本については、こちらをご覧ください。


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