重宝されるファシリテーターは俯瞰する力を持っている

ファシリテーション

会議には、色々な目的があります。

つまり、ファシリテーターの役割も都度マイナーチェンジしていくということです。

だから、その場におけるファシリテーターの役割とは何かという理解が、とても重要になってきます。

会議において情報共有がメインの目的の時もあれば、何かを決定するという時もあります。

このような目的によっても、会議におけるファシリテーターとしての求められるレベルが変わってきます。

ここでは、価格を決めるという目的を持った会議における、ファシリテーターとして俯瞰する力の重要性が分かる事例をご紹介します。

目次     

  • 前提情報
  • メインの議題
  • 視野を変える

前提情報   

まず今回の事例のビジネスモデルをご覧ください。

言葉でも補足説明させていただきます。

①日本の企業が、ECサイトに商品を登録する。

登録するのはECサイトを作ったA社とそれ以外の他社になります。

②海外の企業が、サイトを見て商品を購入する。

③日本の他社が、販売になった商品をA社に送る。

④A社が、自社と他社から送られてきた販売商品をコンテナに積み海外に送る。

このビジネスにおいて、海外のお客様が購入する時には、商品代金以外に次の2つの請求をしています。

1つ目は、④のコンテナ積み込みに関わる費用を踏まえた積み込み手数料です。

これは定額25万円を支払ってもらっています。

そしてもう1つは、③の他社が商品を送ってきて、それをA社が受け入れチェックし、再梱包するコストを踏まえた、積み替え手数料です。

しかし、海外のお客様には特別告知をせずに、出品する国内のお客様にのみ説明しており、商品価格に5%の上積みをして海外のお客様に価格提示をしています。

つまり、海外のお客様には積み替え手数料という概念はなく、もし全く同じ商品であれば、A社が出品するよりも、他社出品分の方が高く見えるということになっています。

メインの議題 

先ほどご紹介したようなビジネスモデルを踏まえて、この会議の議題をおさらいします。

端的にいうと、先ほどご紹介した5%が妥当かどうかを検証し、変更が必要であれば5%を変更するということです。

実際のコストを考えると、5%では足りないのではないかということが会議の発端であり、担当者には事前に各業務を時間計算し、コスト計算をしてきてもらいました。

積み込む内容(商品の構成)によってもコストが変わってくるので、次の3パターンを作成してくれました。

あなたは、どう思いますか?

この会議では、とりあえず10%から15%の間で考えてみたら良いのではないかという話になりました。

ここで、ファシリテーターとして必要なことは何でしょうか?

当然ですが「それでは何%にしましょう」と意見を言う側にはいません。

ファシリテーターの役割としては、参加者の考えも引き出しつつ、目的に沿ったエンディングに導くことが仕事となります。

しかし、ここではそれ以上に大切な役割がありました。

それは、何だと思いますか?

それが、ファシリテーターとして大切な俯瞰する力になります。

視野を変える

では、この会議で他社売上の5%という請求を、10%から15%の間に変更していこうという方向性は、間違っていないのでしょうか?

結論から言うと、このまま変更の話に向かうと、間違った答えを導いてしまうかもしれません。

ファシリテーターとしては、そのことを提示することが望ましい役割になります。

その役割を踏まえた問いかけは、次のようなものでした。

今回の事例のビジネスモデルは、プラットホームビジネスですから、出品する国内のお客様(他社)と、購入する海外のお客様がいますので、その視点を一度考えたら良いのではないでしょうか?

つまり、5%の請求がコストと見合っているかという自社の課題を解決するだけではなく、顧客の立場に立った視点を忘れてはいけないということです。

顧客思考については、こちら(相手の立場に立って考える人と考えられない人)をご覧ください。

これはものすごく大切なことですし、もし会議の参加者がその視点を持っていなかったら、そのことを気づかせてあげられるファシリテーターには、大きな存在価値が生まれます。

それでは、それぞれのお客様の立場で考えてみましょう。

出品する国内のお客様の視点

海外の人が見える価格が高くなってしまいます。

すると、販売に繋がる可能性が低くなってしまいます。

結果的に、今よりも「売れない」という可能性が出てきます。

購入する海外のお客様の視点

商品の購入価格が、高くなります。

すると、購入する可能性が低くなってしまいます。

結果的に、今よりも「買わない」という可能性が出てきます。

それを、言葉ではなく図にすると次のようになります。

いかがでしょうか?

もし、A社が自社のコストをまかなえる納得のいくパーセンテージが決まったとしても、海外のお客様が商品を購入しなくなってしまえば、ビジネス自体が成り立たないことになってしまいます。

もし、海外のお客様が引き続き購入してくれれば、出品する国内のお客様の不安は解消されます。

つまり、海外のお客様が購入するような価格になっているかという視野を忘れて、5%を◯%に変更しようという結論はありえないのです。

このように、ファシリテーターとしては、常に会議を俯瞰する力を持って、その場をコントロールするスキルが重要になるのです。

ファシリテーターについては、ぜひこちらもご覧ください。


会議やミーティングにおけるファシリテーションの技術が学べる本: コミュニケーション能力をビジネスに活かす コミュニケーション&ビジネス
 

タイトルとURLをコピーしました